ミッツの基板加工機を用いた高周波回路基板製作の事例
電気通信大学の和田光司研究室の協力を頂き、ミッツの基板加工機を用いた 高周波回路基板製作の
事例について紹介します。
基板加工機を用いるメリット
- 大学・研究所などで短期間で基板製作のノウハウを習得でき、精度よい基板製作が可能である。 化学薬品を用いないので廃液処理などの心配がいらない。
- 電磁界シミュレータなどによるシミュレーション結果で得られたデータを用いることで、高周波回路基板を効率よく製作できる。
- シミュレーション結果と基板の測定結果を比較することで、その結果を短時間のうちに回路パターン設計の改善等でフィードバックできる。
ここでは、プリント基板を用いた高周波フィルタの事例(マイクロストリップ線路を用いたデュアルバンド
フィルタ) を挙げ、回路設計からその基板製作・測定までの流れについて説明します。
回路設計
基板加工機でプリント回路パターンを 設計する前段階で、フィルタの構造パラメータをコンピュータプログラムで 算出し、シミュレータを用いて伝送特性を評価します。
1例として、マイクロストリップ線路を用いたデュアルバンドフィルタを設計プログラムにより設計し、その結果を踏まえ回路シミュレータにより伝送特性を計算した結果を示します。
構造シミュレーション
電磁界シミュレータなどの構造シミュレータを用い、基板加工機 で試作する回路パターン形状を 解析することで、回路の伝送 特性の他、電流密度分布など も計算することができます。
構造シミュレータで電磁界分布を確認することで、視覚的にその振る舞いを捉えることができる。また、回路基板設計にもそのデータを使用することができます。
(本回路は、アンソフト・ジャパン(株)の協力を得て、Ansoft Designer Ver.3.0のより解析しております。 )
製作・測定
設計、シミュレーション結果および解析結果から得られたデータをもとに、基板加工機を用いて回路基板の製作を行います。
次に実現した基板の測定を行い、シミュレーション結果および解析結果と比較し特性評価を行います。
基板加工機 FP-21T Precisionの概観
(本回路の製作・測定は、太陽誘電株式会社の協力により行われております。)
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